田んぼのネズミ退治方法は？【株元から30センチ圏内】稲わらの即日撤去で被害を最小限に
【疑問】
田んぼのネズミ被害が出始めたとき、最初にすべき対策は？
【結論】
まず株元から30センチ圏内の足跡や糞の有無を確認して被害範囲を特定します。
ただし、確認作業は必ず朝夕の2回行い、新しい痕跡の出現にも注意を払います。
田んぼのネズミ被害が出始めたとき、最初にすべき対策は？
【結論】
まず株元から30センチ圏内の足跡や糞の有無を確認して被害範囲を特定します。
ただし、確認作業は必ず朝夕の2回行い、新しい痕跡の出現にも注意を払います。
【この記事に書かれてあること】
田んぼのネズミ被害に悩まされている方、実は対策のポイントは意外と単純なんです。- 田んぼのネズミ被害は株元から30センチ圏内に集中して発生
- 水深5センチ以上の水たまりを作って侵入経路を遮断
- 稲わらは収穫後3日以内に撤去して餌場化を防止
- 畦道は幅60センチ以上を確保して見通しを改善
- 水路沿いの直径3センチ以上の穴は即日補修が必須
株元から30センチ圏内さえしっかり管理すれば、被害の大半は防げてしまいます。
「でも、広い田んぼの全体を見回るのは大変じゃない？」そう思われるかもしれません。
ところが、ネズミの行動範囲には特徴があり、まずは株元周辺に注目することで、効率的に対策を進められるんです。
今回は、田んぼのネズミ対策について、特に重要な株元周辺の管理方法を中心に、具体的な数値目安とともにご紹介します。
【もくじ】
田んぼのネズミ対策で収穫量を守る基本的な考え方
特に収穫後の稲わら管理を徹底することで、大切な稲を守ることができます。
具体的な3つの方法を詳しく見ていきましょう。
田んぼのネズミ対策で収穫量を守る基本的な考え方
- 株元から30センチ圏内を重点的に点検！足跡や糞を確認
- 稲の根元に水深5センチ以上の水たまりを作る「水際対策」
- 稲わらを放置するのはNG！餌と巣材になってしまう
株元から30センチ圏内を重点的に点検！足跡や糞を確認
田んぼの株元周辺は、ネズミの活動が最も活発な場所です。毎日の見回りでは、株元から30センチ圏内を重点的に確認しましょう。
「あれ？この辺に何か変なものが…」と気になったら要注意です。
ネズミの活動痕跡は以下の3つがポイントになります。
- 水田の表面に残された細い足跡が連なっている様子
- 黒くて細長い形の糞が2〜3個まとまって落ちている場所
- 稲の茎の根元が斜めに切れたような食害の跡
夜間に活動するネズミの新鮮な痕跡を見つけやすいんです。
足跡は朝露で濡れた土の表面にくっきりと残り、「これは昨夜のものだな」とすぐに分かります。
見つけた痕跡は場所と日付をメモしておきましょう。
これを続けることで、ネズミがよく通る場所や活動が活発な時期が見えてきます。
「ここを重点的に対策しよう」という判断材料になるわけです。
稲の根元に水深5センチ以上の水たまりを作る「水際対策」
水際対策の決め手は、水深5センチ以上の水たまりを作ることです。ネズミは水を嫌うため、株元周辺に深めの水たまりを作ると、近づきにくくなります。
水たまりの作り方は以下の手順で行います。
- 株元から30センチの範囲を少し掘り下げて、くぼみを作る
- 水が抜けないよう、底と周りの土をしっかりと踏み固める
- 水を張って、深さ5センチ以上を保つように管理する
大丈夫です。
稲は水に強い作物なので、株元に水がたまっても問題ありません。
むしろネズミの被害を防ぐ効果の方が大きいのです。
水たまりは雨が降ると土が流れ込んで浅くなることがあります。
週に2回は水深を確認し、浅くなっていたら掘り直しましょう。
じゅわじゅわと湧き出る地下水で水位が下がりやすい場所は、特に念入りにチェックが必要です。
稲わらを放置するのはNG！餌と巣材になってしまう
収穫後の稲わら管理は、その日のうちに撤去することが鉄則です。放置された稲わらは、ネズミにとって格好の餌場になるだけでなく、巣作りの材料としても利用されてしまいます。
「しばらく置いておいても大丈夫かな」と思っていると、こんな事態に発展しかねません。
- 稲わらの下で餌を見つけたネズミが、毎晩のように集まってくる
- 暖かい稲わらの中に巣を作り始め、そこで子育てを始める
- 餌と巣材が豊富なため、どんどん数が増えていく
地面との間に隙間ができると、そこがネズミの隠れ家になってしまいます。
「サクサク」と稲わらをかじる音が聞こえたら、すでに住み着いている証拠です。
田んぼの管理では、刈り取った稲わらはすぐにトラックで運び出すか、その場で細かく裁断して土に混ぜ込むようにしましょう。
手間のかかる作業ですが、これが翌年の被害を防ぐ重要なポイントになるのです。
田んぼ周辺の環境整備で被害を防ぐ
水路の土手、畦道、地面の耕起という3つの箇所に注目して、それぞれの対策をしっかり行いましょう。
田んぼ周辺の環境整備で被害を防ぐ
- 水路の土手に開いた穴を見つけたら即日補修を実施
- 畦道は幅60センチ以上を確保して見通しを改善
- 耕起は深さ30センチまで！水はけ改善で営巣を防止
水路の土手に開いた穴を見つけたら即日補修を実施
水路の土手はネズミの巣作りの格好の場所です。点検時に直径3センチ以上の穴を見つけたら、すぐにふさぎましょう。
放置すると巣が作られてしまうので要注意なんです。
土手を歩きながら、ネズミの足跡や草の踏み跡を探します。
- 水路沿いは朝と夕方の2回、点検することがおすすめ
- 穴は砂と土を混ぜた土でしっかりと固めて埋める
- 水路と畦道の接続部分は特に念入りに確認が必要
畦道は幅60センチ以上を確保して見通しを改善
畦道はネズミの通り道になりやすい場所です。草が生い茂ると隠れ場所になってしまうため、幅60センチ以上の通路をしっかり確保しましょう。
草丈は10センチ以下に保つのがコツ。
草刈り後の刈り草はそのまま放置せず、すぐに片付けることが大切です。
- 草刈りは朝露が乾いた時間帯に行うのがベスト
- 畦道の角や曲がり角は特に丁寧に草を刈る
- 刈った草はその日のうちに片付けることが重要
耕起は深さ30センチまで！水はけ改善で営巣を防止
地面の耕起は、ネズミの営巣を防ぐ重要な作業です。深さ30センチまでしっかり耕すことで、土の中に巣を作られるのを防げます。
水はけを良くすることも大切なポイント。
地面の凹凸はきれいに均して、水たまりができないようにしましょう。
- 耕起後2日以内に整地作業を完了させる
- 水はけの悪い場所は表土を入れ替えるのも効果的
- 耕起時に見つけた穴はすぐに埋め戻すことが重要
効果的な予防と対策の判断基準
それぞれの特徴を理解し、状況に応じた判断が重要です。
効果的な予防と対策の判断基準
- 予防的な環境整備vs事後対策！費用対効果の比較
- 個人での対策vs共同対策！経費と効果の違い
- 草刈りの実施vs放置！被害拡大リスクの差
予防的な環境整備vs事後対策！費用対効果の比較
予防的な環境整備は初期費用がかかりますが、長期的に見ると被害を抑えられる賢い選択です。「今のところ被害がないから」と放置すると、取り返しのつかない事態に。
予防的な環境整備にかかる費用は年間5万円程度。
これに対して被害が出てからの事後対策は、被害規模によって最大20万円もの出費になってしまいます。
「そんなにお金がかかるの？」と驚く方も多いはず。
予防的な環境整備の具体例を見てみましょう。
- 田んぼの外周に防護柵を設置する：初期費用3万円で5年間使用可能
- 定期的な見回りと点検：月2回の作業で年間1万円
- 草刈りと環境整備：年4回の実施で年間1万円
薬剤散布や被害箇所の修復など、予防時の4倍もの費用がかかってしまうんです。
予防と事後では、このような大きな差が生まれます。
個人での対策vs共同対策！経費と効果の違い
個人での対策と地域全体での共同対策では、費用面でも効果の面でも大きな違いが出てきます。「自分の田んぼだけ守ればいい」と考えがちですが、実はそうでもないんです。
個人での対策は年間10万円ほどかかります。
これに対して、近隣の農家と共同で取り組む場合は1戸あたり3万円程度で済みます。
なぜこんなに違うのでしょうか。
- 防護柵の設置費用：共同なら境界部分を折半できる
- 見回りの効率：当番制にすることで一人あたりの負担が減る
- 資材の共同購入：まとめ買いで単価を抑えられる
広域的な取り組みで、じわじわと効果が表れてくるというわけです。
草刈りの実施vs放置！被害拡大リスクの差
定期的な草刈りと、放置した場合では、被害の広がり方に明確な違いが出てきます。草刈りを怠ると、ネズミの活動範囲がぐんぐん広がってしまうんです。
草刈りを定期的に行う場合と放置した場合で、被害の進行を比べてみましょう。
- 1週間後：放置すると草丈が30センチを超え、ネズミの隠れ家に
- 2週間後：草むらを伝って被害が隣接区画まで拡大
- 1か月後：草が生い茂り、見回りもできない状態に
「あそこに新しい足跡がある」「ここに穴が開いている」といった変化にすぐ気づけるため、対策も素早く打てます。
草刈りは手間がかかる作業ですが、被害の拡大を防ぐ重要な取り組みなんです。
5つの現場で使える具体的な対策方法
砂利道での足跡確認から、竹炭による忌避、溝掘りによる監視まで、すぐに実践できる対策を詳しく解説していきます。
5つの現場で使える具体的な対策方法
- 砂利道で足跡を確認！幅60センチの通り道作り
- 竹炭を株元に埋め込み「匂いで寄せ付けない」作戦
- 溝掘りで見張り番！幅15センチの確認用通路
- わらで偽の通り道を作り「移動経路を特定」
- ソーラーライトで夜間警戒！300ルクスの照明効果
砂利道で足跡を確認！幅60センチの通り道作り
畦道に砂利の通り道を作ることで、ネズミの動きを簡単に把握できます。「これはネズミの新しい足跡かな？」と迷わなくて済むんです。
砂利道は幅60センチ、厚さ5センチで作ります。
大きさは粒径1〜2センチの小石がちょうどよいでしょう。
「大きすぎる砂利は足跡が残りにくいので避けましょう」というわけです。
設置のポイントは3つあります。
- 砂利は畦道の中央に一直線に敷きます。
端に寄せすぎると効果が半減してしまいます - 砂利の下には防草シートを敷くと雑草が生えにくくなり、より長期間効果が持続します
- 砂利の表面はweekly定期的に平らに均すことで、新しい足跡がくっきり残ります
砂利が流されていないか、地盤は緩んでいないかをしっかりチェック。
「あれ？砂利が少なくなってる」と感じたら、すぐに補充することがコツです。
竹炭を株元に埋め込み「匂いで寄せ付けない」作戦
竹炭を活用した対策は、費用を抑えながら効果を発揮できる方法です。「これなら自分でもすぐにできそう」と思える手軽さが特徴なんです。
まず、株元から30センチ圏内に、10センチ間隔で竹炭を埋め込みます。
ここで大切なのは埋める深さを5センチに統一すること。
浅すぎると雨で流されてしまい、深すぎると効果が弱まってしまいます。
竹炭の効果は3つあります。
- 独特の匂いでネズミを寄せ付けません
- 水はけを改善してネズミの好む環境を減らします
- 土壌の質も向上するため、一石二鳥の効果があります
「竹炭が見えてきたかな？」とこまめに確認することで、より確実な効果が得られます。
また、3か月ごとの交換がおすすめです。
長期間放置すると効果が薄れてしまいますよ。
溝掘りで見張り番！幅15センチの確認用通路
溝を掘って足跡を確認する方法は、手間はかかりますが確実な効果が得られます。「これなら見落としがないわ」と安心できる対策なんです。
溝は幅15センチ、深さ20センチで掘ります。
掘り方のコツは3つあります。
- 畦道に沿って一直線に掘ることで、ネズミの移動経路が把握しやすくなります
- 溝の壁面を垂直に仕上げると、足跡がくっきり残ります
- 底面は平らに均すことで、新しい足跡が見分けやすくなります
土砂で埋まりやすいため、週2回は点検が必要。
「あれ？溝が浅くなってる」と気づいたら、すぐに掘り直しましょう。
また、溝の近くに目印となる杭を立てておくと便利です。
「この辺りで足跡を見つけた」という記録が取りやすくなり、ネズミの行動パターンが分かってきます。
わらで偽の通り道を作り「移動経路を特定」
稲わらを使って偽の通り道を作る方法は、とても効果的です。ネズミの行動を見破るための作戦なんです。
「ここを通ったのね」とネズミの動きが手に取るように分かります。
設置のポイントは以下の3つです。
- 幅10センチの通路をまっすぐに作ります
- 稲わらは長さ30センチに揃えると、足跡が残りやすくなります
- 通路の両端は目印を付けておくと、点検がしやすくなります
設置後3日以内に必ず撤去しましょう。
長期間放置すると、かえってネズミの住みかになってしまうことも。
「わらが巣材料として使われちゃった！」という事態は避けたいですよね。
毎日の点検もお忘れなく。
朝と夕方の2回、足跡や糞の有無をチェックします。
新しい痕跡を見つけたら、その場所を地図に記録しておくとより効果的です。
ソーラーライトで夜間警戒！300ルクスの照明効果
照明による対策は、夜行性のネズミの行動を抑制する効果があります。株元から30センチ圏内を明るく照らすことで、「ここは危険だぞ」とネズミに警戒させるんです。
設置のコツは3つあります。
- 300ルクスの明るさを確保することで、十分な威嚇効果が得られます
- 照明は2週間ごとに位置を変えると、ネズミが慣れるのを防げます
- 雨よけのカバーを付けることで、長期間安定して使用できます
「これなら費用を抑えられる」と、経済的な対策として注目されています。
設置後は定期的な点検も大切です。
レンズが汚れていないか、光量は十分か、2〜3日おきにチェックしましょう。
「暗くなってきたかな？」と感じたら、すぐにレンズを清掃することがコツです。
田んぼのネズミ対策で注意すべき3つのポイント
特に作業中の事故を防ぐため、見回りや草刈りなどの基本的な作業でも細かな配慮が必要になってきます。
田んぼのネズミ対策で注意すべき3つのポイント
- 草刈り作業は2人以上で！転倒防止に要注意
- 夜明けと日暮れは視界不良！反射材の着用を推奨
- 長時間の前かがみ作業に「腰痛予防」が重要
草刈り作業は2人以上で！転倒防止に要注意
「一人でもできるでしょ」と思いがちな草刈り作業ですが、必ず2人以上で行うことが大切です。畦道は足場がぬかるんでいることが多く、つるっと滑って転んでしまうことがよくあるんです。
相手がいれば「危ないよ！」と声をかけ合えて、すぐに助け合うことができます。
草刈り機を使うときは特に注意が必要です。
- 作業前には必ず危険個所の確認と共有をしましょう
- 互いの作業範囲を5メートル以上空けることで接触を防ぎます
- 体調が悪くなったら「ちょっと休もう」とすぐに声を掛け合える環境を作りましょう
- 作業途中でも30分おきに休憩を取ることをお勧めします
夜明けと日暮れは視界不良！反射材の着用を推奨
田んぼの見回りは、ネズミが活発に活動する夜明けや日暮れ時に行うことが多いものです。でも「まだ明るいから大丈夫」と油断は禁物。
薄暗い時間帯は思わぬ危険が潜んでいます。
視界が悪い中での作業は、水路に落ちたり、農機具にぶつかったりする危険がとても高くなります。
- 反射材付きの作業着を着用して、お互いの位置を確認しやすくしましょう
- 首や腕、足首など複数の場所に反射材を付けることで、どの方向からでも見えやすくなります
- 懐中電灯は必ず持参し、予備の電池も用意しておきましょう
長時間の前かがみ作業に「腰痛予防」が重要
株元の点検や穴の補修など、どうしても前かがみの姿勢が続いてしまう作業。「ちょっとぐらいなら」と無理を重ねると、あとあと腰痛に悩まされることになってしまいます。
ぎっくり腰になると、その後の作業にも大きく影響してしまうんです。
- 1時間おきに休憩を取り、腰を伸ばす体操をしましょう
- 作業時は膝を曲げて腰を落とすことで、腰への負担を減らせます
- 腰痛予防ベルトの着用も効果的です
- 長時間の作業時は背筋を伸ばす時間を意識的に作りましょう
まとめ：田んぼのネズミ対策は「株元30センチ」からスタート！水際と稲わら管理がカギ
田んぼのネズミ被害対策は、株元から30センチ圏内の重点管理から始めましょう。
「水深5センチ以上の水たまり」を作って侵入経路を遮断し、稲わらは収穫後3日以内に撤去することで、被害の拡大を効果的に防げます。
また、畦道は幅60センチ以上を確保して見通しを改善し、水路沿いの直径3センチ以上の穴は即日補修を心がけましょう。
これらの基本的な対策を確実に実施することで、田んぼのネズミ被害を最小限に抑えることができます。
「水深5センチ以上の水たまり」を作って侵入経路を遮断し、稲わらは収穫後3日以内に撤去することで、被害の拡大を効果的に防げます。
また、畦道は幅60センチ以上を確保して見通しを改善し、水路沿いの直径3センチ以上の穴は即日補修を心がけましょう。
これらの基本的な対策を確実に実施することで、田んぼのネズミ被害を最小限に抑えることができます。